あらためまして、CP ピストンのご紹介!
アメリカンレースの最高峰であるNASCARや、NHRAドラッグレースでポピュラーな CP-Carrillo 社のピストンの大きな特徴は 、Formula-One の部品製作で有名なオーストリアの Pankl Racing Systems のグループ会社として、その卓越した強度解析・デザイン技術と米国航空宇宙産業に由来する精密機械加工技術 を応用した、ピストンおよびコンロッドの製造技術にあります。
全てのCPピストンは、アメリカ国内で調達したアルミ合金素材をアメリカ国内で鍛造・熱処理し、カリフォルニア州アーバイン市にある CP-Carrillo 社にて精密機械加工されております。
アメリカ生産車や日本生産車ばかりではなく、欧州生産車向けにもレースピストンを供給している CP-Carrillo 社の豊富なデータベースに基づいてデザインされたピストンの形状プロファイルは言うまでも無く、ピストン全域にわたりミクロン単位で高精度に加工されております。そして最も重要なリング溝は、更に厳密に管理された工程で加工されますので、その結果エンジン全回転域を通して高いシール性を保つことにより、 良好なコンプレッションの維持とブローバイガスの低減、そして高次元の耐久性と高出力を両立させることが可能となりました。
CP-Carrillo 社のこの卓越した生産技術は、ワンオフ・カスタムピストンはもとより、同社から出荷されるすべてのピストンに同等に反映されています。
CP ピストン カタログ / PDF (2.49MB)
■ CP ピストンの特徴:
• 高強度アルミ鍛造ピストン
• 超軽量設計
• 重量公差+/-1 グラム
• CNC加工機による超精密リング溝加工
• ピン穴へリング溝から強制給油(2ヵ所)
• ピン穴オイルリザーバー加工
• 超精密サイドリリーフ加工
• セカンドリング・ランドにオイル溜め溝加工
■ CP ピストン キット構成:
• アルミ鍛造ピストン.
• リストピン : 高周波焼き入れ済み高炭素鋼
• サークリップ : 炭素鋼ワイヤクリップ(もしくはスパイラルクリップ)
• リングキット : NPR 社製
• オプションとして WPC処理も承ります。
★ カタログに無いピストンはワンオフにて製作致します。
詳しくは お問い合わせください。
ワンオフ・カスタムピストン - サンプル
★ 業販も承ります。
★ 日本国内の販売代理店様募集中です。
MKS Engineering, Inc. は米国CP-Carrillo LLC社の正規代理店です。
ワンオフ・カスタム クランクシャフトの作り方 - その①
今回は TRUE ONES カスタム・ワンオフ・クランクシャフトの作り方です。
通常、クランクシャフトの基本的な形状は、V8やV6、I4やI6と言ったシリンダーの気筒数と配置、ボア間ピッチ、ブロックのメインジャーナル径やコンロッドのピン径などの寸法、フライホイールやプーリーの取り付け形状などエンジンの基本スペックにより決定されてしまいます。
また、ピストンによる爆発圧力に耐えまがら回転出力を取り出す為だけなら、クランクシャフトはもっとシンプルな形状で良いはずですが、同時に高速で回転しながらピストン・コンロッドによるレシプロ(往復)運動の振動を出来る限り減衰しなければなりませんので、複雑な形状のアームやカウンターウエイトが必要になります。
2. 振動・捩れ対策
この静的な剛性向上対策に加え、組み込むエンジンのスペックやその使用用途に合わせて、細かいカスタム・ワンオフ仕様として、実際に組み込むピストン、ピン、リング、コンロッド等のレシプロ慣性重量に合わせてカウンターウエイト重量の低減と高回転時の振動を押さえ込む為にアンバランス率の最適化を行います。
3. 剛性アップと軽量化のバランス
しかし、剛性アップだけを狙うとどうしても重量は増加していきます。そこで、綿密な静的・動的FEM強度解析を行う事により剛性の必要なアームの部分には必要な肉厚を確保し、影響の少ない部分においてはとことんまで肉を削ぎ落とし軽量化を進めます。
4. 耐摩耗性の向上
プラズマやガス窒化等の熱処理の変更・追加により、ピンやメインジャーナル部分の硬度を上げ、更にハンドラッピングやマイクロポリッシングにより面祖度を上げる事により対磨耗性の向上も狙います。
5. オイル潤滑性能アップ
ノーズフィードのオイルラインなら問題はありませんが、通常のクランクシャフトのオイル供給は、ブロックからメインジャーナルのオイル穴を経由して、コンロッドメタルへと供給されます。よって、コンロッドメタルの油膜・幕圧安定化の為、メインジャーナルのホールは出来るだけオイルを掻き込む様に、そしてピンジャーナルのホールは安定的にオイルを吐き出すように、オイル穴の位置・角度・形状の最適化を行います。
仕上げ時にダイナミックバランスを正確に取りますが、その際も純正クランクシャフトのようにカウンターウエイトにやたらと穴を開けるのではなく、ウエイト部分の最外周を削る事により、オイル撹拌抵抗を出来る限り低減する為、表面を平滑に保ちます。
量産ブロックを使用するエンジンでも、剛性の高い軽量クランクシャフトを使用することにより、よりパワフルでよりスムーズなエンジンに仕上げることが可能です。
是非 TRUE ONES スペシャルクランクシャフトをお試し下さい。
★ TRUE ONES は MKS Engineering 社のオリジナルブランドです。
詳しくはお問い合わせ下さい。
上の写真は
TRUE ONES / 4G63 * 94mm ストローク クランクシャフト
重量 : 13.3 kg
通常、クランクシャフトの基本的な形状は、V8やV6、I4やI6と言ったシリンダーの気筒数と配置、ボア間ピッチ、ブロックのメインジャーナル径やコンロッドのピン径などの寸法、フライホイールやプーリーの取り付け形状などエンジンの基本スペックにより決定されてしまいます。
また、ピストンによる爆発圧力に耐えまがら回転出力を取り出す為だけなら、クランクシャフトはもっとシンプルな形状で良いはずですが、同時に高速で回転しながらピストン・コンロッドによるレシプロ(往復)運動の振動を出来る限り減衰しなければなりませんので、複雑な形状のアームやカウンターウエイトが必要になります。
更に、強大な爆発による力と、重い車体を加減速する為の駆動系からの反力の両方をクランクシャフトは受け止めなければならないので、一番ストレスのかかるピン部両脇のアーム部分の剛性がデザイン上非常に重要となります。
★純正クランクシャフト
ところで、コスト管理の厳しい自動車メーカー純正のクランクシャフトにおいては、ある一定の安全マージンは確保してあるものの、そのエンジンに要求されるカタログ出力に対する強度、純正ピストン・コンロッド等レシプロ慣性重量に対応する振動抑制やオーバーレブ時に対する強度、エンジンブレーキやギャップ走破時の駆動系からの入力に耐えるレベルでの必要最小限の設計強度しか与えられておりません。つまり、自然吸気エンジンへの過給器の追加や過給圧アップによる爆発力の向上、また、吸気効率向上を狙ったバルブ径の拡大やレブリミットアップによる高回転化対応の為のバルブスプリングの強化、ハイグリップタイヤ使用による駆動伝達力の向上等の付加的な状況は想定されておりませんので、ハイパフォーマンス化チューニングの進んだエンジンにおいては、その剛性不足により捩れが発生します。この捩れが危険共振振幅を増加し、バルブタイミングや点火時期のずれを生じ、その結果レスポンスの低下、バルブジャンプ、コンロッドのメタルやメインメタルの油幕切れトラブルによる焼き付き、コンロッドの捩れ破壊、そして最悪クランクシャフト自体の破壊を招きます。
(写真は4G63 純正クランクシャフト 重量:14.6kg)
そこで、高出力化に対応する為、剛性をアップした強化クランクシャフトが必要となります
★強化クランクシャフトの特徴とは?
★強化クランクシャフトの特徴とは?
1. 静的剛性アップ
強化クランクシャフトの一番大切な項目は静的な剛性アップです。その手段として まずはクランクシャフト母材自体を靭性の高い材料に変更し、また型鍛造からより強度の高い鍛造丸棒祖材へ変更し、加工方法もウェブの形状を自由にデザインできるよう削出しだしで製作いたします。
<静的強度検討 - 爆発圧力による歪の確認>
2. 振動・捩れ対策
この静的な剛性向上対策に加え、組み込むエンジンのスペックやその使用用途に合わせて、細かいカスタム・ワンオフ仕様として、実際に組み込むピストン、ピン、リング、コンロッド等のレシプロ慣性重量に合わせてカウンターウエイト重量の低減と高回転時の振動を押さえ込む為にアンバランス率の最適化を行います。
<動的強度検討 - 共振捩れによる応力検討>
3. 剛性アップと軽量化のバランス
しかし、剛性アップだけを狙うとどうしても重量は増加していきます。そこで、綿密な静的・動的FEM強度解析を行う事により剛性の必要なアームの部分には必要な肉厚を確保し、影響の少ない部分においてはとことんまで肉を削ぎ落とし軽量化を進めます。
そして、ライトニングホールの追加により慣性重量の一部となるピンの部分を更に軽量化できる事により、それとバランスをとるカウンターウエイトの重量を低減する事ができます。同時に剛性に影響の少ない回転軸中心部分に近い部分のウェブ形状を極限まで絞り、更にスプリントレース仕様はメインジャーナルの中心部に貫通穴を設定することにより全体としての軽量化を図ります。
4. 耐摩耗性の向上
プラズマやガス窒化等の熱処理の変更・追加により、ピンやメインジャーナル部分の硬度を上げ、更にハンドラッピングやマイクロポリッシングにより面祖度を上げる事により対磨耗性の向上も狙います。
また、チューニングの方向性により、硬質クローム処理による更なる耐摩耗性の向上や、WPC処理による圧縮残留応力による対クラック性の向上と極限までのフリクションの低減を追及します。
5. オイル潤滑性能アップ
ノーズフィードのオイルラインなら問題はありませんが、通常のクランクシャフトのオイル供給は、ブロックからメインジャーナルのオイル穴を経由して、コンロッドメタルへと供給されます。よって、コンロッドメタルの油膜・幕圧安定化の為、メインジャーナルのホールは出来るだけオイルを掻き込む様に、そしてピンジャーナルのホールは安定的にオイルを吐き出すように、オイル穴の位置・角度・形状の最適化を行います。
量産ブロックを使用するエンジンでも、剛性の高い軽量クランクシャフトを使用することにより、よりパワフルでよりスムーズなエンジンに仕上げることが可能です。
是非 TRUE ONES スペシャルクランクシャフトをお試し下さい。
★ TRUE ONES は MKS Engineering 社のオリジナルブランドです。
詳しくはお問い合わせ下さい。
憧れの1台 - Toyota 2000GT
もうちょっと前の話ですが、こちらの大先輩のクルマやさんが、
珍しいクルマに乗って現れました。
その時のクルマがこれ、
Toyota 2000GT
言わずと知れたトヨタファンなら憧れの1台。
007 も愛した1台です。
wiki によると北米には約60台が輸入されたそうですが、
ランニングコンディションで現存する車は
フロリダとカリフォルニアにほんの数台程度だと思われます。
大型のフォグランプは前期形の象徴です。
しかしいつ見ても美しいボディーラインですね!
こういった往年名車は是非永遠に態保存しておいて欲しいものです。
JZA80 のスープラはこのラインを非常に意識してデザインされて居ると思います。
特にリアウインドウやクオーターの処理などは、
この車両をモチーフにしたのではないでしょうか?
しかし、やはり本物には敵いませんでしたね。
もう20年近く前の話ですが、
初めて仕事に就いた会社の芝浦にある工場に行くと、 この2000GTが常時数台レストアの為に入庫していていました。
そこにはこの見事なフェンダーラインを
手曲げで再生する職人さんがいらっしゃいまして、
その作業に良く見惚れたものです。
そんな本物の板金職人さん達が居たすごい工場でしたが、
時代の流れでそういった仕事採算レベルと合わなくなってしまい、
残念ながら後継者を育てることなくその職場もなくなってしまいました。
エンジンは YAMAHA製 3M型 DOHC 6気筒 2,000cc、
おじさんの憧れのソレックスツイン(ミクニ製)3連装!
良い音がしておりました。
まあオリジナルにこだわらなければの話ですが、
今ならこんな憧れの名車のエンジンも、
レシプロ系のクランクからコンロッド、ピストン、バルブ、バルブスプリングなど、
全て現代のデザインと加工技術でワンオフで製作し、
元気に復活させることも可能です♪
またきっといつかこんなカッコいいバッジを付けた、
素敵なクルマが復活することを期待しております♪
ワンオフ・カスタムコンロッドの作り方①
CP Pistons 社とCarrillo Industries 社は以前は別々の会社でしたが、CP Pistons が2009年に Carrillo Industries 社を完全買収致し、2009年の年末にCarrillo 社の工場の設備を Irvine 市にあるCP Pistons 社の工場内にそっくり移設いたしました。そこで、現在は両ブランド名はそのまま CP Pistons と Carrillo と2本立てですが、デザイン・生産設備はシームレスに連結し、CP-Carrillo, LLC という会社名に変更になり運営されております。
これで完全にデザインから生産まで Pankl Quality にて管理する事が出来るようになりました。
★Carrillo コンロッドの特徴
Carrillo コンロッドの特徴は、Carrillo社がコンロッド専用に開発した特殊鍛造祖材 (CARRALLOY) と用途により使い分けることのできる3種類のビーム形状にあります。
この航空宇宙産業向けの高品質なCARRALLOY を用いることにより、一般的にハイパフォーマンス・コンロッドに使用されているSAE/AISI4340 (クローム・モリブデン鋼)を用いたコンロッドと同等の強度を維持しながらより軽量化することに成功いたしました。また、専用鍛造祖材を使用することによりより均一な品質を保つことが可能となり、ロッド内部からの亀裂を発生させる原因となる材料に混入する介在物を極力排除することが可能となっております。
また、お客様のエンジンの仕様用途に合わせ、下記に記す3種類のビーム形状より最適な形状を選択し、デザインの段階から強度と軽量化、更にスチール系コンロッドとしてコストパフォーマンスも高次元でバランスさせております。
なお、CP-Carrillo 社は究極の軽量化と高剛性を要求される Formula-One 向けのエンジン部品のデザイン・開発を主業務としている Pankl Racing Systems 社を母体としておりますので、その強度解析・デザイン部署のデータベースをCP-Carrill社のデザインエンジニアも共有しておりますので、F1の設計から得られた最新のデザイントレンドをCP-Carrillo 社のデザインにも惜しみなく反映させております。
★Carrillo コンロッドの形状
Pro-A (I-鋼)
Carrillo Pro-A ロッドは最も軽量化を追及したコンロッドの形状です。
ビーム(腕)の部分のエッジの厚みが必要最低限まで削られ、超軽量コンロッドが出来上がります。
☆耐久出力 : 約60HP / シリンダー 未満
Pro-SA (I-鋼)
Carrillo コンロッドの中では中庸的な立場で、Pro-A ロッドのエッジ部分の肉厚を上げ、剛性を更に高めた形状になっております。
Pro-A に比較してエッジ部分の肉厚に余裕を持たせ、より高出力に耐えるデザインとなっております。
☆耐久出力 : 約120HP /シリンダー 未満
Pro-H (H-鋼)
もっともスタンダードなH-鋼タイプの高剛性コンロッドです。
H-鋼の幅と内部の肉厚を自由に調整する事により、Pr-SA 相当の重量から 6気筒1,000HP 以上にも耐えられるような高強度なコンロッドにまで使用できます。
☆耐久出力:120HP /シリンダー 以上
以上のことを十分に踏まえ、まずはエンジンの使用用途・条件を明確にして、必要な強度を検討するところからワンオフ・カスタムコンロッドのデザインは始まります。
強すぎるコンロッドはフリクションにしか成りませんので、必要強度と軽量化のバランスが大切です!
※なお、上記ビーム形状判別の為の耐久出力はあくまでも目安です。実際にはピストン、ピン、リングの重量、最高回転数、最高出力、使用用途、オーバーレブの可能性などを考慮してCarrillo社の経験値より決定いたします。
WPC Treatment とは?
WPC Treatment / WPC処理自体は別名"マイクロ鍛造"と呼ばれるように、金属の表面を加工し、硬度を上げて磨耗やクラックの発生を防止したり、また施工時に表面に出来るゴルフボールの様なマイクロディンプルによりオイルの潤滑性の向上を助け、フリクションを低減いたします。
日本では既に20年以上の実績があり、MotoGPを始め、F1やWRC、ル・マン24時間レースなど耐久性を要求されるエンジンやトランスミッション、サスペンション部品などに広く採用されておりますが、ここアメリカにおいては2005年より WPC Treatment Co., Inc.社がカリフォルニア州トーランス市に工場をオープンし、アメリカでのWPC処理を開始いたしました。そこで弊社もWPC Treatment Co.,Inc.社に依頼してピストン・コンロッド・クランクシャフトの強化とフリクションの低減・シール性の向上を目的に必要に応じてWPC 処理を実施しております。
また、CP Pistons社でもオプションとしてこのWPC処理を広く採用しており、ピストンピンにおいてはWPC処理を施したものを一部カタログモデルとして既に標準化しております。
今回はそのWPC処理の基本情報をおさらいの為アップします。
★WPC 処理とは
"Wide Peening Cleaning / 幅広く打ち付けて清掃する" もしくは"Wonder Process Craft / 不思議な、驚くべき工程の特殊技術" の略で、WPC処理とは、 金属成品の表面に、目的に応じた材質の微粒子を圧縮性の気体に混合して高速衝突させるという精密ブラスト技術です。つまり、金属表面処理の一種で、40~200ミクロンという非常に小さな 微粒子(ショット)を、被処理材料に対し高速(100m/sec以上)に噴射し、その粒子を衝突させる事により発生する熱で金属の表面を処理する事で、主に疲労強度の向上と摺動性の向上を目的としています。
★WPC 処理の効果
WPC 処理を実施すると、処理対象物の最表面で急熱・急冷が繰り返されることより、微細で靭性に富む緻密な組織が形成され、高硬度化して表面を強化すると同時に、表面性状を微小ディンプルへ変化させ潤滑性を向上させることにより、摩擦磨耗特性を向上させます。WPC処理可能な材質は、ギアなどの鋼、ピストンのようなアルミ及びアルミ合金、オイルポンプのような焼結合金、クランクシャフトのようなダクタイル鋳鉄、メタルのようなスズや鉛の合金、そのほか、チタン合金など金属であればほとんどがWPC処理可能です。 また、硬質クローム、TIN等のメッキ、窒化、浸炭などの表面処理の上にWPC処理を実施する事により相乗効果を発揮します。メッキ等の前処理としてWPC処理をすると、金属との密着性が上がりメッキの耐久性が向上します。 更に、固体潤滑剤ショットを用いる事により 、微粒子の成分元素を金属最表面に拡散・浸透メッキすると共に、表面を合金化させて強度を増すことが可能となり、チル化などにより作られた高硬度で脆い金属表面にも、更なる摺動姓を目的としてWPC処理をする事が可能となりました。
★WPC 処理の対象
現在はレースエンジン・車両関連機械部品以外にも、切削工具・金型等の強度と耐摩耗性、機能性を向上させる表面改質熱処理技術として、幅広い産業分野で利用されています。
★WPC 処理 特徴:
• 疲労強度の向上
• 耐摩耗性の向上
• ミクロディンプルによる摺動性の向上
• 金属表面硬度の向上
• 耐クラック性の向上
• 耐衝撃性の向上
• 各種皮膜との密着性向上
• 低温脆性の防止
• スカッフィング・フレッティングの防止
★WPC 処理 対象:
• ピストン、ピストンピン、ピストンリング
• クランクシャフト / ジャーナル(メイン、ピン)、プーリーボス他
• コンロッド、コンロッドメタル
• カムシャフト / ロブ、ジャーナル他
• ロッカーアーム、バルブリフター
• バルブスプリング、スプリングリテーナ
• バルブ
• トランスミッションギア、フォーク、シンクロ、スリーブ他
• デファレンシャルサイドギア、ピニオンギア、L.S.D.クラッチプレート
• クラッチカバー / プレート部
• ドライブシャフト、CVジョイント他
• ロータリーエンジン
/ アペックスシール、コーナーシール、エキセントリックシャフト他
• 切削工具、金型他
MKS Engineering では全ての機械加工部品に対しWPC処理を承っております。ピストン・コンロッド・クランクシャフトの納品に合わせ施工可能です。お見積りを作成いたしますので、お気軽にお申し付けください。
WPC処理サンプル写真
日本では既に20年以上の実績があり、MotoGPを始め、F1やWRC、ル・マン24時間レースなど耐久性を要求されるエンジンやトランスミッション、サスペンション部品などに広く採用されておりますが、ここアメリカにおいては2005年より WPC Treatment Co., Inc.社がカリフォルニア州トーランス市に工場をオープンし、アメリカでのWPC処理を開始いたしました。そこで弊社もWPC Treatment Co.,Inc.社に依頼してピストン・コンロッド・クランクシャフトの強化とフリクションの低減・シール性の向上を目的に必要に応じてWPC 処理を実施しております。
また、CP Pistons社でもオプションとしてこのWPC処理を広く採用しており、ピストンピンにおいてはWPC処理を施したものを一部カタログモデルとして既に標準化しております。
今回はそのWPC処理の基本情報をおさらいの為アップします。
★WPC 処理とは
"Wide Peening Cleaning / 幅広く打ち付けて清掃する" もしくは"Wonder Process Craft / 不思議な、驚くべき工程の特殊技術" の略で、WPC処理とは、 金属成品の表面に、目的に応じた材質の微粒子を圧縮性の気体に混合して高速衝突させるという精密ブラスト技術です。つまり、金属表面処理の一種で、40~200ミクロンという非常に小さな 微粒子(ショット)を、被処理材料に対し高速(100m/sec以上)に噴射し、その粒子を衝突させる事により発生する熱で金属の表面を処理する事で、主に疲労強度の向上と摺動性の向上を目的としています。
★WPC 処理の効果
WPC 処理を実施すると、処理対象物の最表面で急熱・急冷が繰り返されることより、微細で靭性に富む緻密な組織が形成され、高硬度化して表面を強化すると同時に、表面性状を微小ディンプルへ変化させ潤滑性を向上させることにより、摩擦磨耗特性を向上させます。WPC処理可能な材質は、ギアなどの鋼、ピストンのようなアルミ及びアルミ合金、オイルポンプのような焼結合金、クランクシャフトのようなダクタイル鋳鉄、メタルのようなスズや鉛の合金、そのほか、チタン合金など金属であればほとんどがWPC処理可能です。 また、硬質クローム、TIN等のメッキ、窒化、浸炭などの表面処理の上にWPC処理を実施する事により相乗効果を発揮します。メッキ等の前処理としてWPC処理をすると、金属との密着性が上がりメッキの耐久性が向上します。 更に、固体潤滑剤ショットを用いる事により 、微粒子の成分元素を金属最表面に拡散・浸透メッキすると共に、表面を合金化させて強度を増すことが可能となり、チル化などにより作られた高硬度で脆い金属表面にも、更なる摺動姓を目的としてWPC処理をする事が可能となりました。
★WPC 処理の対象
現在はレースエンジン・車両関連機械部品以外にも、切削工具・金型等の強度と耐摩耗性、機能性を向上させる表面改質熱処理技術として、幅広い産業分野で利用されています。
★WPC 処理 特徴:
• 疲労強度の向上
• 耐摩耗性の向上
• ミクロディンプルによる摺動性の向上
• 金属表面硬度の向上
• 耐クラック性の向上
• 耐衝撃性の向上
• 各種皮膜との密着性向上
• 低温脆性の防止
• スカッフィング・フレッティングの防止
★WPC 処理 対象:
• ピストン、ピストンピン、ピストンリング
• クランクシャフト / ジャーナル(メイン、ピン)、プーリーボス他
• コンロッド、コンロッドメタル
• カムシャフト / ロブ、ジャーナル他
• ロッカーアーム、バルブリフター
• バルブスプリング、スプリングリテーナ
• バルブ
• トランスミッションギア、フォーク、シンクロ、スリーブ他
• デファレンシャルサイドギア、ピニオンギア、L.S.D.クラッチプレート
• クラッチカバー / プレート部
• ドライブシャフト、CVジョイント他
• ロータリーエンジン
/ アペックスシール、コーナーシール、エキセントリックシャフト他
• 切削工具、金型他
MKS Engineering では全ての機械加工部品に対しWPC処理を承っております。ピストン・コンロッド・クランクシャフトの納品に合わせ施工可能です。お見積りを作成いたしますので、お気軽にお申し付けください。
WPC処理サンプル写真
用途に合ったピストン鍛造型選び
ピストンを純正から交換すると言うことは、それなりの目的があってすることだと思います。過給器をつける事による高出力化に対応するための鍛造化による耐久性の向上と圧縮比を落としてノッキングの防止、自然吸気エンジンで高圧縮化でトルクの向上や更なる高回転時のフィーリング向上狙い、または何かトラブルがあってその対策のために交換等々...
その目的に合わせて色々なエンジン特性を作り込めるのが、カスタムピストンのひとつの魅力です。その為にはスタート地点の鍛造をまず目的に合わせて選定できなければ始まりませんね!
CP Pistons 社のピストンを語る上で重要なのが加工精度の高さと鍛造型。CP Pistons の製作するピストンは全てアルミ鍛造より超精密加工にて削り出しで製作いたしますが、そのもととなる鍛造型には色々なサイズと形状が有り、エンジンの使用用途、デザインの目的により下記の3種類の鍛造型を使い分けています。
その目的に合わせて色々なエンジン特性を作り込めるのが、カスタムピストンのひとつの魅力です。その為にはスタート地点の鍛造をまず目的に合わせて選定できなければ始まりませんね!
CP Pistons 社のピストンを語る上で重要なのが加工精度の高さと鍛造型。CP Pistons の製作するピストンは全てアルミ鍛造より超精密加工にて削り出しで製作いたしますが、そのもととなる鍛造型には色々なサイズと形状が有り、エンジンの使用用途、デザインの目的により下記の3種類の鍛造型を使い分けています。
★STD-Style (または S-Style) :
高強度鍛造 / Turbo や Super Charger、NOS System など過給器付きエンジン向け鍛造型
頭頂部の肉厚を十分に確保し爆発圧力による歪や熱応力によるクラックの発生を抑えております。鍛造ピストンの高強度さを十分に発揮し、6気筒1,000馬力にも十分対応いたします。
3S-GT や4G63、4B11、2JZ-GTE、2GRターボ、VR38DETT、EJ25/20ターボ、FJ20、L28ターボなどDish タイプ(凹)の頭頂部形状や、RB26 などのDome(凸)タイプの頭頂部形状にも多様に対応できます。 いわばCP 社のオールラウンダーです。
参照:Toyota 3S-GT
★X-Style :
超軽量 / 自然吸気・高回転エンジン向け鍛造型
スカート部分の面積を最小とすることによりフリクションの低減を図り、尚且つピンボス部分の剛性を保ちつつSTD-Style 鍛造に比べて背面の軽量化を達成。
基本的にはアルミ鍛造の高強度を最大限に利用し、贅肉をそぎ落として超軽量なピストン向けに使用する鍛造型です。リセス形状に合わせた背面の鍛造型から想像する通り 4バルブDome タイプの頭頂部形状を得意とし、K20A や4A-G、Alfaromeo156 等高回転を狙う自然吸気エンジン向けの超軽量ピストンには最適です。
また、L28やF355などFlat な頭頂部形状のピストンにも適合いたします。ただ、頭頂部の形状により背面の鍛造形状が余肉になる場合がありますすので、その場合は背面追加工により追い込み更なる軽量化を狙います。
参照 : Toyota 4A-G / 4 valves
ピストン背面の贅肉をそぎ落としつつ、リブを残して高強度化と冷却性の向上を狙います。
★MX-Style :
高強度軽量鍛造 / 高出力自然吸気エンジン向け鍛造型
X-Style をベースとし更に背面に鍛造のリブを追加することにより、頭頂部ピンボス方向の剛性を上げると共に放熱フィンとしての働きより冷却性の向上に貢献。
もともと超高回転向けのバイク用鍛造型から派生した鍛造型で、背面はフラットで強度アップの為のリブが追加されていますので、背面加工なしで対応できる頭頂部形状のピストン向けに力を発揮します。
今回はBMW 向けのピストンに採用いたしました。
※なお、現在は φ94.0mm ~ 100.00mm のみ対応可能ですが、今後は対応できるサイズを増やす予定です。
CP-Carrillo 社のご紹介!
まずは一番大事な CP ピストンのメーカーである CP-Carrillo LLC 社のご紹介。CP-Carrillo LLC 社はカリフォルニア州アーバイン(Irvine, CA)という街にあります。現在はお隣のレイク フォレスト(Lake Forest) という街にそのタイトルを奪われてしまいましたが、この街はつい最近まで全米一安全な街というタイトルを持っておりました。しかし、現在でもアメリカ有数の安全な地域で有る事は間違いありません(笑)。 その証拠にMAZDA、KAWASAKI、MARUCHANなど日系企業も近隣にはたくさん集まっております。
CP Pistons 社は1998年に創業。オーストリアにある Pankl Racing Systems AG 社のグループ企業として、その解析・設計・開発リソースを共有し、F1を代表とするヨーロッパのハイエンドモータースポーツ向け部品の設計思想を十分に反映し、その最新のF1デザインテクノロジーを用いてピストンをデザイン・製造しております。
2008年にはやはりアメリカではコンロッドメーカーとして有名な Carrillo Industries 社(当時は San Clemente, CA に所在)をM&Aにて合併し、2009年に同じアーバインの敷地内にその工場を移転し、デザイン・解析のリソースを共有してピストンの設計と連動してコンロッドの設計も出来る体制が整い、現在は社名を CP-Carrillo LLC 社に変更でして、ピストンとコンロッドを同じクオリティーで生産しています。
弊社 MKS Engineering, Inc. は2005年よりこの CP-Carrillo 社の正規代理店として営業しております。また、日本市場へのディストリビューター / カスタマーサポートの窓口として、CP-Carrillo 社と提携しております。
なお、CP-Carrillo 社では、弊社が得意とするカスタム・ピストン、カスタムコンロッドの製作以外にも、日本車やヨーロッパ車、アメリカンV8向けなど、多様なラインナップもカタログ品として用意しております。
CP ピストン PDF カタログ [ダウンロード 2.49 MB]
K20AやSR20DET、VQ35やVQ37、4G63やEJ20/25 など日本車向けのピストンキットの在庫も豊富ですので是非お問い合わせ下さい。
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