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用途に合ったピストン鍛造型選び

ピストンを純正から交換すると言うことは、それなりの目的があってすることだと思います。過給器をつける事による高出力化に対応するための鍛造化による耐久性の向上と圧縮比を落としてノッキングの防止、自然吸気エンジンで高圧縮化でトルクの向上や更なる高回転時のフィーリング向上狙い、または何かトラブルがあってその対策のために交換等々...

その目的に合わせて色々なエンジン特性を作り込めるのが、カスタムピストンのひとつの魅力です。その為にはスタート地点の鍛造をまず目的に合わせて選定できなければ始まりませんね!

CP Pistons 社のピストンを語る上で重要なのが加工精度の高さと鍛造型。CP Pistons の製作するピストンは全てアルミ鍛造より超精密加工にて削り出しで製作いたしますが、そのもととなる鍛造型には色々なサイズと形状が有り、エンジンの使用用途、デザインの目的により下記の3種類の鍛造型を使い分けています。

★STD-Style (または S-Style) :
    高強度鍛造 / Turbo や Super Charger、NOS System など過給器付きエンジン向け鍛造型

頭頂部の肉厚を十分に確保し爆発圧力による歪や熱応力によるクラックの発生を抑えております。鍛造ピストンの高強度さを十分に発揮し、6気筒1,000馬力にも十分対応いたします。

3S-GT や4G63、4B11、2JZ-GTE、2GRターボ、VR38DETT、EJ25/20ターボ、FJ20、L28ターボなどDish タイプ(凹)の頭頂部形状や、RB26 などのDome(凸)タイプの頭頂部形状にも多様に対応できます。 いわばCP 社のオールラウンダーです。





参照:Toyota 3S-GT



★X-Style :
    超軽量 / 自然吸気・高回転エンジン向け鍛造型

スカート部分の面積を最小とすることによりフリクションの低減を図り、尚且つピンボス部分の剛性を保ちつつSTD-Style 鍛造に比べて背面の軽量化を達成。

基本的にはアルミ鍛造の高強度を最大限に利用し、贅肉をそぎ落として超軽量なピストン向けに使用する鍛造型です。リセス形状に合わせた背面の鍛造型から想像する通り 4バルブDome タイプの頭頂部形状を得意とし、K20A や4A-G、Alfaromeo156 等高回転を狙う自然吸気エンジン向けの超軽量ピストンには最適です。

また、L28やF355などFlat な頭頂部形状のピストンにも適合いたします。ただ、頭頂部の形状により背面の鍛造形状が余肉になる場合がありますすので、その場合は背面追加工により追い込み更なる軽量化を狙います。





参照 : Toyota 4A-G / 4 valves

ピストン背面の贅肉をそぎ落としつつ、リブを残して高強度化と冷却性の向上を狙います。





★MX-Style :
    高強度軽量鍛造 / 高出力自然吸気エンジン向け鍛造型

X-Style をベースとし更に背面に鍛造のリブを追加することにより、頭頂部ピンボス方向の剛性を上げると共に放熱フィンとしての働きより冷却性の向上に貢献。

もともと超高回転向けのバイク用鍛造型から派生した鍛造型で、背面はフラットで強度アップの為のリブが追加されていますので、背面加工なしで対応できる頭頂部形状のピストン向けに力を発揮します。

今回はBMW 向けのピストンに採用いたしました。





※なお、現在は φ94.0mm ~ 100.00mm のみ対応可能ですが、今後は対応できるサイズを増やす予定です。

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